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【特集Part1】電力インフラに貢献する情報伝送技術
通信サプライヤが注目している分野の1つが、日本におけるスマートグリッドだ。スマートグリッドを厳密に定義するのは難しいところだが、その概念の1つとして、発電設備から端末の電力機器までのネットワークに情報通信技術を導入することで、電力網内での需給バランスの最適化を図り、電力の有効利用とコスト削減を実現するものと捉えても良いだろう。
スマートグリッドという言葉自体は、2009年にオバマ大統領が、環境分野に1,500億ドルを投じ250万人の雇用を創出するグリーン・ニューディール政策の一環として登場したことで注目を集めた。一方で、日本におけるスマートグリッドの注目度は高いとは言えなかった。既に日本の電力事業者は送電線に光ファイバとRFマイクロ波を利用しており、送配電網に通信機能を組み込んでいたので、アメリカが想定しているようなスマートグリッドの必要性は疑問の声もあった。
日本におけるスマートグリッドが見直されたのが東日本大震災以降。停電時間の短さは世界でトップクラスだった日本だが、中長期的電力供給不足が現実になったことで、改めてスマートグリッドに取り組む必要が出てきた。
今回の特集では、2月29日から3月2日に東京ビッグサイトにて開催されるスマートグリッドEXPOの開催に合わせ、展示予定品の中から情報通信技術に関するものをピックアップしてご紹介する。
【特別寄稿】コヒーレント光トランシーバをテストする
R&Dから製造/普及に移行するDP-QPSKでの注意点
By Chris Loberg and Daniel van der Weide,Ph.D.
通信事業者やサービス・プロバイダにとって、100Gコヒーレント光技術による長距離(ULH)の高密度波長分割多重方式(DWDM)への移行がいよいよ現実的になってきている。
オンデマンド・ビデオ、クラウドベースのサービスなどの広帯域アプリケーションが急速に普及するにしたがって、伝送容量が大きな問題になってきた。このためには、既設ファイバでスペクトラム効率を高めることが必要になっている。これを現実するため、従来のオンオフ・キーイング(OOK)から、DP-QPSK(Dual-Polarization Quadrature Phase-Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、さらにはさまざまなOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)の変種に目が向けられている。
コヒーレント光技術がR&D段階から製造/導入へと移行しているが、多くの研究機関は今でも自作のコヒーレントレシーバや解析ソフトウェア、さらには適応イコライザとの組み合わせに頼って、すべての条件でアイの開口が最大になるようにしている。この方法はレシーバ開発では重要だが、伝送システムにおて信号歪みの重要な原因を見落とすことがあり、システムの応答が遅いために障害の根本原因を迅速に特定できないなどの問題がある。
したがって、特性を評価し、校正し、再現性のある解析方法、計測器が重要になる。インターオペラビリティを確認するための、シリアル・データ通信システムで一般的に使用されているアイ・マスクなどのテスト規格は、OIF(Optical Internetworking Forum)認証のDP-SPSKフォーマットでは定義されてはおらず、特定のQファクタをテストすることでしか、コンポーネント性能をクロスチェックする方法がない。今後数年で数多くの規格や技術が登場するため、さまざまなコヒーレント変調方式に対応したテスト方法の確立が重要になる。
長期コヒーレント光トランシーバ伝送システムの設計、導入では、コヒーレント光トランシーバにおいて予測可能なビット・エラー・レート性能と再現性のあるQファクタを実現することが重要になる。
R&D、製造、導入時のいずれにおいても、物理設計の障害を検出し、解決の糸口を探すテスト機器、特にコヒーレント光信号アナライザ技術について見ていく。
以下、2つについてもレポートした。
光ネットサーク技術トレンド
ケーブルテレビの64QAM変調(CATV局現場からのレポート)
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ITEM NAME | OPTCOM 2012年3月号 |
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ITEM CODE | OPT201203-f~OPT201203-m |
PRICE | 1,395~16,744 円(税込) |