今月号の【見どころ】
今月号の「イモ燃料の大量生産技術開発(35)-1;甘藷のポット栽培における密集配置条件の最適化」(鈴木高広氏)では、まず、冒頭の「1.プロローグ」で、「陸上植物による大気CO2の吸収力は意外と高く,北半球の春夏季における森林光合成のCO2吸収速度は,人為的排出によるCO2濃度の上昇速度を上回り,ピーク時には大気のCO2濃度を10ppmも低下させる。したがって陸上植物の光合成効率を高めれば,地球温暖化の元凶であるCO2濃度を毎年下降させることも不可能ではない。増産した植物バイオマスは乾燥して石炭の代わりに用いたり,メタン発酵により天然ガスを代替したり,アルコール発酵や液化反応により石油代替燃料として用いることもできる。ゴマ油や菜種油を大量生産し,内燃機関の燃料とすることもできるのである。」「再生可能エネルギーとして期待されて普及した太陽光発電や風力発電は,発電出力が天候に左右され不安定である上,蓄電設備がなければ電力を貯蔵できないため,従来の火力発電所もベース電源として維持しなければならい。したがって化石燃料の代替効率が低い上,発電設備や蓄電設備の製造工程でも化石燃料を大量に消費する。」「対照的に植物バイオマスはもともと化石燃料の起源物質であり,乾燥して固形燃料として貯蔵することも,微生物発酵等によりガスや液体に変換した燃料を貯蔵することもできるため,化石燃料を代替するための中核燃料となり得る。普及への課題は,格安の大量生産技術の開発である。」と提言している。
次に「2.森林バイオマスと糖質作物の再生速度とエネルギー変換効率」について、そして、より高効率を目指しての提案絡みで、「3.甘藷の密植栽培」について、さらにまた、「4.ポット苗の配置密度の影響」等に関して言及している。
バイオ分野に関しての研究している方がたへの発想の一助が得られる論文ではなるのではないだろうか。ご一読を頂けますれば幸いである。
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ITEM NAME | 化学装置 2017年11月号 |
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ITEM CODE | PAP201711-f~PAP201711-m |
PRICE | 2,500~23,760 円(税込) |