化学装置 2016年4月号

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【特 集】環境に配慮したモノづくりを支える化学技術



リアルクリーンパワーへの礎石
-石炭ガス化発電商業プラント見学レポート(上)-

原技術士事務所 原 晋一
(Column:「石炭ガス化発電」 SCE・Net 松井 達郎 )

化学プラント機器の要求品質への対応技術

木村化工機 佐野 耕介

マイクロプラスチックと環境

種谷技術士事務所 種谷 真一

石油コンビナート等における特定防災施設消火用設備配管に対応する耐震性に優れた消火用合成樹脂管
-クボタシーアイ消火用ポリエチレンパイプ-

クボタシーアイ 江藤 司

〈プラモデル粉体機器〉
“なるほど ! …目で見て理解”「アクリル製粉体機器実演モデル」で粉体機器の内部観察と粉体挙動を目視

吉原伊知郎技術士事務所 吉原 伊知郎

【特設記事】高機能・高精度プラスチックフィルムの製造技術



第5回 高機能プラスチック展の見どころ・リスト

編集部

分光分析法による高機能・高精度プラスチック樹脂の劣化評価

島津製作所 鈴木 康志

【巻頭言】



新展開のカギはIoTとAIの活用である

東京理科大学 大江 修造

○技術トピックス○



「超撥水フィルム」

綜研化学

◇新化学化時代〔別稿〕◇



CO2資源化の話題 (その5〔上〕 )

華和商事 村田逞詮、王 伝海

【新連載】



例題で理解する粉体の基礎入門(1)

大阪大学 内藤 牧男

粉体の特性-粒子径および平均粒子径-

富山大学 森 英利

【特別寄稿】



第4次産業革命のイノベーションとサイバーセキュリティ対策

I CS研究所 村上 正志

【連 載】



地球環境とバイオリアクター(18)

近畿大学 鈴木 高広

液体清澄化の今(4) MRB導入による排水処理設備増強工事

日本液体清澄化技術工業会 トーケミ 大谷 務

品質・生産性革へのモノづくり・イノベーションへの再構築(10)

露木生産技術研究所 露木 崇夫

安全談話室(115)

化学工学会SCE・Net  安全研究会

化学分析 ・測定の基礎知識(21)

名古屋市立大学  齋藤  勝裕

プラントエンジニアリング・メモ(102)

エプシロン  南  一郎

図解 化学装置(30)

東洋大学 川瀬 義矩

技術者のための創造力開発講座(24)

飯田教育総合研究所 飯田 清人



【見どころ①】
今月号の“巻頭言”(日本開発工学 会長の大江修造氏)にて、一部抜粋すると、氏曰く「…米国の化学工学会から、日本人として初めてから蒸留研究分野で表彰された。時代は高度成長期から失われた20?年を経て、失速しそうな時期を迎えて、大きな転換点にある。しかし、それは国内だけの話である。筆者が顧問を務める米国の蒸留研究機関FRIには、継続して新製品の試験が目白押しに並んでいる。新製品は主に米国とドイツの企業からのものが多い。高度成長期には、日本からの委託試験もあった。現在、国内において優れた製品は開発されてはいるものの、米国のFRIに試験を依頼する企業はない。世界の企業は、残念ながら米国のFRIで試験されたものでないと、評価しない傾向がある。総じて言えることは、日本における蒸留装置の開発は遅れてしまったと言わざるを得ない。他産業の中には、世界をリードしているものがあることを考えると、この遅れを、全力で取り戻さなければならない。」と。また、「…時代は大きな転換点を迎えていることは確かである。それは、コンピュータの一層の、かつ全面的な浸透である。IT、ICTそしてIoT(もののインターネット)などの語が連日、新聞の紙面を飾っている。これらコンピュータ利用の中核となる技術が人工知能AI(ニューラル・ネットワーク)である。約30年前に、人工知能がブームになったが、技術が未完成であった。かつてのバックプロパゲーション法の欠点を克服したディープ・ラーニング(深層学習)の登場により、人工知能が再び注目されている。これらの技術の応用は多方面にわたるが、最適な触媒の探索などが可能になる。また、効果的なのは事故防止への応用である。良くある事故は定期保守後の運転再開時のバルブの閉め忘れ、工具の装置内への置忘れなどである。この種の事故はIoTなどの利用により、容易に防止できる。IoTおよびAIの活用により、世界をリードしたいものである。」―ITの勝者に見られるごとく、次に来るのは間違いなくIoTの勝者であると強調している。



【見どころ②】
特集分「”リアルクリーンパワー”への礎石-石炭ガス化発電商業プラント見学レポート-」(SCE-NET エネルギー研究会 原 晋一氏)の冒頭で、次のように述べている。
「はじめに;昨年まで約10年間続いた地球温暖化の停滞、ハイエイタス、が過ぎ例年より暖かい昨年末(平成27年12月14日)、それでも寒さを感じながら、常磐共同火力(株)勿来発電所の空気吹き石炭ガス化発電設備(IGCC)の見学をSCE-NETの総勢18人が行った。石炭火力は地球規模の気候変動の緩和を行う上で課題が有る発電手段とみなされる傾向にあるが、IGCCは安定かつ高効率で安価な電気を生み出す手段として注目される発電方法と考えられ、その商業設備としての技術および操業の状況を直接目で見、話を聞くことができることは非常な楽しみであった。
 勿来発電所のIGCCは、国産技術として第2次オイルショック後半電力コストの上昇が懸念された昭和58年以来、永年年月をかけて研究・開発・実証化が進められた空気吹き石炭ガス化方式であり、東日本大震災の津波による水没の災難にも4か月と言う短期間に復旧し、かつ実証設備でありながらグリッドに電力を供給し、災害復旧への重要な戦力とし活躍し、その技術の確かなことを証明した。その後、同じ設備を基に平成25年4月から常磐共同火力(株)勿来発電所において商業設備として運転が行われている。更に今後この技術を基に、ガスタービンを最新鋭の技術に替え高効率発電設備として540MWの石炭ガス化発電新設計画が福島県の2か所で進められており、2020年初頭の運転開始により長年の研究開発の成果が社会的に本格的に具現化されようとしている。
 地球規模の気候変動緩和のためには排出される炭酸ガスの減少や捕捉・固定化(CCS)が必要だが、それをより効率的に行うことのできる酸素吹きIGCCの実証化開発が来年から広島県の大崎でスタートすべくプラントの建設が進んでいる。その技術も勿来のガス化炉技術をベースとしたもので、CCSにおけるCO2の高効率回収技術や、燃料電池併設による更なる高効率発電技術の開発も進展すると考えられることから、今後の和が国における発電システムにおけるIGCCの主役としての姿が見えて来つつある。 振り返ってみれば、永年の技術開発の基に実現したこの勿来の商業運転による石炭ガス化の技術経験が無ければ、安価なコストで電力を供給できるIGCCの更なる高効率化やCCS技術開発の推進は更に困難を伴っていると考えられる。 ここでは、空気吹きIGCCの位置づけ、開発経緯、プロセスの特徴と商業運転実績および今後の計画と、IGCCの火力発電における比較とCCSを含む石炭火力の課題と今後の方向等について述べる。」と。
4月号で、前半(上)を、5月号で後半(下)のレポートがなされている。なお、今月号では、同見学会に参加されたSCE・Net会員の松井達郎氏が、『石炭ガス発電』に関してColumn を寄稿して頂いている。




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