【見どころ】
新年号の“特別寄稿”で、『新産業革命の進展-それはサイバースペース革命』を、モノづくりAPS推進機構の小松昭英氏は、概略を次のように述べている。
“1.はじめに”では-
「ごく最近まで情報技術は、企業活動を補助的に支援するものと位置づけられてきたが、今や企業活動自体がサイバースペースに移行するとともに、企業活動と表裏一体の存在になりつつあると言えよう。しかし、どのようなビジネスモデルを構築しようと、製品の優位性、企業あるいはグループ企業の生産性を生かすものでなければ、真の優位性を保っていくことはできない。(OECDに)遅れを取ったと言われているわが国であれ、ドイツであれ「もの作り」の優れた伝統を生かした、発展途上の経営資源マネジメントシステム、製造実行システム、企業内・企業間連携システムあるいはアプリケーションサービスなどにもとづく新しい企業システムを構築することにより、近い将来再びリーダーシップを取り戻せると信ずるものである。これは、今から15年前、すなわち21世紀初頭に依頼されて投稿した論文「e-エンタープライズの形成」(筆者(2000) )の「おわりに」に書かれている文章の一部である。残念ながら、ドイツに先を越されてしまったが、後で述べるように、ドイツが目指す「価値創造チェーン/ネットワークのデジタル化」の研究ロードマップ(BITKOM et al(2015) )の終了期限が2035年であるから、立ち遅れを挽回できないことはないはずである。」と。
また、提言を含みつつの結論“6.まとめ”では-
「インダストリー4.0やインダストリアルインターネットの推進により、いわゆる第4次産業革命が起ころうとしている。しかし、これは産業革命にのみとどまるものではない。何故なら、インターネットには、既に企業を核として、個人や社会が繋がっているからである。すなわち、コーポレート、インダストリアル、パーソナル、ソーシャルの4象限から構成される新たなサイバースペースが誕生しようとしているのである。そして、わが国はインダストリアルコンピューティングの分野では優位な立場にあることは、国の内外を問わず認められている上に、さらにサイバースペースについてもベネティクトに期待されていた国でもある。先進国に追随する国から、その一員になって先導する国になる機会が到来したのである。そのなかで、化学産業は自動化では、もともとプロセス産業であることから他の組立産業より常に先んじてきた。しかも、一部の最終消費品を生産する企業を除いて、多くの化学企業が素材産業、すなわちB2B企業でもあることから、少なくとも現時点では、革命の直接的対象になっていないように見受けられる。しかし、海外展開がますます求められる時代であるから、少なくとも当然流通については何らかの対応が、また異なるパーソナルケーパビリティ(IEC(2013) )(筆者(2015) )をもつ生産者・消費者、すなわちプロシューマーを対象にすることから派生する諸問題に対しても何らかの対応が求められるであろう。そして、その際に忘れてはならないことは、今まで経験したことのなかった新興国のプロシューマー人口の急激な増大である。」と。詳細は本文をご参照ください。
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ITEM NAME | 化学装置 2016年1月号 |
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ITEM CODE | PAP201601-f~PAP201601-m |
PRICE | 1,848~22,176 円(税込) |