【見どころ】
8月号の巻頭言にて、一般財団法人機能水研究振興財団理事長の堀田国元氏は次のように発言している。
「タイトルは、『道を拓く:機能水生成装置のあゆみと信頼性』で、機能水とは、「科学的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの」を指す(日本機能水学会)ことが定着している。元々、機能水は機能水研究振興財団が1993年に設立されてから使われ出した言葉で、登録商標でもある。しかし、機能水財団の寄付行為には「機能水を電子・電気応用等により生成することを目的とした機器、及びこれに関連する部品、付属品ならびに生成機器から生成する機能水を言う」と書かれているだけで、機能水そのものの定義は行われていなかった。それゆえ、電子や電気以外の人為的処理をしたものも機能水と解釈され、多様な機能水が登場した。中には科学的にみて怪しげなものもいろいろ含まれていたために、機能水の信用や評価は低いままでなかなか向上しない状況が続いてきた。つい最近までウイキペディアにおいて機能水は科学的用語ではないなどの批判的な記述が並んでいたことが象徴的であったと言える。こうした誤った認識や情報を改めるとともに、機能水に関する健全な知識を理解しやすい形で世の中に普及するのが機能水財団の使命のひとつである。筆者は、国立感染研究所でMRSAなどの研究を行っていた20年ほど前に機能水のひとつ(高い殺菌活性をもつ強酸性電解水)に出会い、10年ほど前に定年退官後、機能水財団で仕事をすることになった。以来、微力ながら機能水とその生成装置に関する健全な知識の収集・整理、すなわち基盤整備と普及促進に取り組んできた。」「最初に気づかされたのは、機能水および生成装置の理解度の相違が機能水を扱っている人たちの間で目立つことであった。生成装置は工学的であり、生成した機能水は化学的であり、その機能は生物学的であるので、関係者が話し合うと議論がかみ合わず、それぞれの専門的なことが一方通行的に行き交い、受け手は都合の良いところだけを聞くといった具合であった。筆者自身もそういう面をもっていたことは否めないが、やがて気づいたのは、機能水と生成装置の品質、有効性、 安全性に関する信頼性の高い知識・情報を収集整理して共有化したうえで、普及を図るべきということであった。」「信頼性の獲得には、製造に関しては科学的生成原理、数値化された装置と生成水の規格、および公的第三者機関による検証、また、生成水に関しては再現性のある機能データ、機能の科学的根拠、モニター法の提供、公的第三者機関による検証が開示されていることが必要である。 これらの条件をクリアした代表的なものが、アルカリイオン水とその生成器(アルカリイオン整水器)および酸性電解水(次亜塩素酸水)とその生成装置である。飲用アルカリ性電解水(pH9~10)であるアルカリイオン水の生成器は、1966年に医療用物質(水酸化カルシウム)生成器として厚生省の認可を得た。…以下略…。」
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ITEM NAME | 化学装置 2015年8月号 |
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ITEM CODE | PAP201508-f~PAP201508-m |
PRICE | 1,848~22,176 円(税込) |