化学装置 2015年5月号

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【特集】技術立国を支える最先端粉体技術



粒子複合化プロセスの開発とその応用展開

大阪大学 内藤 牧男、近藤 光、小澤 隆弘

複合微粒子製造システムによる新素材創成

ホソカワミクロン 井上 義之

遠心法による粉体付着力測定装置とその応用

ナノシーズ・羽多野 重信、島田 泰拓、日立工機 可児 修一

新しい概念による気流乾燥機

平岩鉄工所 齋藤 和義

微粒子ノズル開発と噴霧乾燥技術の進歩

藤崎電機 大前 洋一

高粘度液体・粉体の分散・破砕処理技術
-超高圧湿式微粒化装置-

吉田工業 長谷川  一利

【特設記事】


PM 2.5の実態を知ろう~PM 2.5 の特性、環境基準、中国 ・日本の現状、我が国の石炭火力発電・自動車~(上)

廣川産業・技術研究所 廣川  一男

【特別寄稿】


サステナビリティ志向重視の時代におけるケミカルエンジニアのあり方(下)

筑波大学 梅田  富雄

【巻頭言】


活躍の場広がる粉体 ・環境技術

東北大学名誉教授 齋藤 文良

○技術トピックス○


高エネルギーボールミル“Emax”

ヴァーダー・サイエンティフィック

□インタビュー□


Phonosolar、トータルソリューション的アプローチでソーラー発電を強力推進

編集部

【連 載】


SCE・Net 安全談話室

化学工学会 安全委員会

プラントエンジニアリング・メモ

エプシロン 南  一郎

化学装置設計のための基本工学

技術士  大野 光之

技術者のための創造力開発講座

飯田教育総合研究所  飯田 清人

新化学化時代

環境 ・エネルギー 化学アドバイザー 村田  逞詮

化学分析 ・測定の基礎知識

名古屋市立大学  齋藤  勝裕

実務に役立つ 蒸留トレイの基礎 (続3-2)

蒸溜 トレイ製造  田村  勝典

地球環境とバイオリアクター

近畿大学 鈴木 高広

図解 化学装置

東洋大学 川瀬 義矩

品質革命モノづくり、イノベーション再構築への提言

露木生産技術研究所  露木 崇夫

知っておきたい微粒子をめぐる世界

種谷技術士事務所 種谷 真一


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【見どころ①】
5月号の連載『図解 化学装置』(東洋大学・川瀬義矩氏)の第22回めは. 沈降分離装置(固液分離操作)ついての解説がなされている。その概要は、つぎのとおり。
「沈降分離装置
: 固体粒子と液体を分離する装置である。沈降装置は粒子を含む液体(スラリー)を容器内に入れ放置し重力沈降により沈降層と上澄液に分離する装置である。排水処理に広く使われている。固液分離を容易にするために、凝集剤を添加し分離しにくいコロイド状物質の粗大化や溶解性物質の析出(不溶化)をする場合も多い。…(中略)…。
沈降分離操作:比較的濃度の低い懸濁液を重力沈降によって濃厚なスラリー(スラッジ)と比較的清澄なオーバーフローとに分ける操作が沈降濃縮である。粒子濃度の違いにより沈降のタイプは、自由沈降、凝集性沈降、干渉沈降、圧密沈降に分類される。固体粒子が沈降する速度は、懸濁液の粒子濃度が希薄であれば、粒子の自由落下終末速度(単一粒子としての落下速度:周囲に存在する粒子の影響を受けない状態)と考えられる。…(中略)…。」と図面を中心とし、簡潔な解説でまとめられている。基礎的なことから学びたい方、知識の整理などをしたい方には最適な講座です。


【見どころ②】
『〔特別寄稿〕サステナビリティ志向重視の時代におけるケミカルエンジニアの在り方(下)』
(筑波大学・梅田富雄氏)では、=6.おわりに=『結論』で、次のようにまとめている。

「地球規模の課題が山積するなか、ケミカルエンジニアが現状分析や将来展望を行うに当たり、サステナビリティは避けて通れない課題であり、伝統的な化学工学の知識、経験をもとに視野を拡大して問題を発見し、しかるべき対応策を考える必要がある。2005年に発行された『Transforming Sustainability into Actions : The Chemical Industry』以降、10年が経過しており、その重要性は、かなり認知され、行動に移されているように思われるが、先に触れた化学工学誌本年1月号のアンケート調査にあるとおり、化学工学の専門知識が不足しているとの指摘はサステナビリティ志向にも基盤技術の習得や新たな構築のためにも何らかの対応が求められる。
ケミカルエンジニアのあり方として、サステナビリティ志向の化学工学を身につけて活躍するには、基盤となる化学工学の専門知識とライフサイクルアセスメント(LCA) に基づく環境・経済・安全・健康を重視したシステムズアプローチを日常業務の遂行に当たって配慮すること、他の領域の専門家との協働作業の必要性から視野を拡大した取り組みを心掛けること、などが具体的な方策であると考える。かつて、1960~1970年代には、わが国の高度成長にケミカルエンジニアがプロジェクトの中心で活躍していたが、いまでは特定の専門領域の専門家としての受け止め方が中心で以前とは異なる社会的なニーズへの対応も変化しているように感じられる。アメリカでは従来どおりケミカルエンジニアプロジェクトの中心的な役割を担っているように思われ、サステナビリティ志向の化学工学の必要性を認識している状況を感知して教育にも反映されているように推察される。他の分野の専門家との接点を持って活躍する必要性が喚起されていることも納得することができる。“化学工学の2000年への挑戦に関わる提言” には既に大気汚染対策や省エネルギー対策などが含まれていることも思い出してみると、この方向を目指すのであれば、田坂が提案している“スーパージェネラリストへの道”はどう考えればよいいか、わが国のこれからのケミカルエンジニアの進むべき方向はバイオテクノロジーやナノテクノロジーなどの限定された専門領域で付加価値を高めた生産に携わることになるのか、よくわからない状況である。いずれにしても、どのような将来計画を立て、実施に向けて行動するかは、個人的な課題であり、未来におけるありたい姿を描くに当たり、状況感知と状況対応をスタートとして実行してみてはどうであろうか。」と述べている。
また、“企業研修のあり方―OJTから自己研鑽へ”“今・これからの時代のOJTを成功させるカギは新人の「自分ごと」の意識である。”などについても言及されている。ご興味のある方は、是非、前号(上)と今月号の(下)とを合わせてお読みいただければ幸いです。




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