■今月号の見所 「統合学の重要性は増す」
(東京工業大学名誉教授・仲勇治氏)の“巻頭言”の抜粋紹介
「プロセス産業という言葉は十分に定義されないで用いられてきた。従来はプロセス産業=装置産業の意味で使っていたようであるが、近年でプロセス産業は『化学・生物的変化を含む工程をマネジメントしながら生産する業種』として使っている。この定義に従えば、機能性素材や医薬などの製造もプロセス産業の一つといえる。このような議論を持ち出した理由は、『プロセス毎に特長があり、多くの企業がそれらに共通点が少ないと捉えていることが、技術の俯瞰能力を妨げている』ことを言いたいがためである。この慣習のために、個別に生産管理システムを導入しているものの、システムの維持管理に追われ、変化する市場要求に対応しきれない例が頻繁に起こっている。」と。(…中略…)
「問題は、“個と全体の関係”を明らかにすること、その関係表現法や支援環境の構築である。筆者らは、この問題意識をもって、『複雑な問題を解くためのアプローチを計画・実行・改善していく一連の流れを組織的に組み立てる基盤を構築し、その基盤上で適切なソリューションを導出する学問』という統合学を提案して20年以上が経過したが、この考えは今更に重要度を増している。この基盤構築のためには“業務の流れ”を分析することが肝要であり、ソリューションを導出する過程だけでなく、個々の業務に必要な情報や担当者の素養を明確にできる。業務の明示は、技術者の専門性を高めるだけでなく、個人に蓄えられている情報をより普遍化し共有を図ることに繋がる、さらに、市場対応の質、量、サプライチェーンへの対応はもとより、さまざまな製品品質、安全・環境、プラント維持、などの検討にも活用でき、業務革新に繋がる。新規に加わる業務があっても他業務との関係が明らかになるので、不具合が発生し難くなり効果的である。いくら進歩的な工学的論理を導入しようと、環境・安全など社会に対して責任を持つべき項目は依然として重要である。」(…以下略…)
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ITEM NAME | 化学装置 2014年12月号 |
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ITEM CODE | PAP201412-f~PAP201412-m |
PRICE | 1,848~22,176 円(税込) |