■今月号の見所
【見所】①
連載の「プラントエンジニアリング・メモ」第82回(エプシロン・南一郎氏)では、“スチームトレース配管まわりの設計”の解説がなされている。南曰く、「プロセス上の要求からプロセス流体が流れる配管内の温度保持や凍結、凝固防止が必要な場合に、配管の外側にスチームによる加熱配管が行われる」。と。今月号では、このスチームトレース配管の留意点――①スチーム供給ヘッダーおよびそのサイズ,②加熱配管(トレース方式、加熱配管の啓、エキスパンジョンループ)等が紹介されている。
【見所】②
“新化学化時代”を標榜している、EECAdの村田逞詮氏。同氏は、フェントン反応による水域の難分解性有機化合物の酸化分解研究を鋭意推進している。その成果事例として、ここでは、四価鉄2価イオンの効用としてのヒ素解毒、リン除去の共沈剤の解明について紹介している。また、特集の方でも「水に可溶なフェノール比べ、水に不溶の“ベンゼン”に関して、その分解する方法、分解手順など、分解処理対策の一考察」が行われている。水浄化システム技術に興味を持たれる方々の参考になる解説記事といえる。
【見所】③
安全で軽量な高性能二次電池の需要が近年ますます高まっている。そこで、今月号の一本記事では、そのホット情報として、「有機合成化学による二次電池用電極活物質の開発現況と展開」(愛知工業大学・森田靖、西田辰介の両氏)を取り上げてみた。森田・西田両氏は、レアメタルを使用しない方法にて成果を上げている。最大の特徴に関しては、両氏は「分子レベルからの新規かつ独創的な有機電極活物質の創案と、その具現化を可能にする精密有機合成に立脚している点である。本研究から、有機分子を用いた二次電池の性能は、有機化学的手法より分子レベルからの向上が可能であることが実証され、リチウムイオン二次電池に代わる新たな高性能電池の第一歩が踏み出された。有機分子の開発は、特定の国に偏在する希少元素(レアメタル)を利用せず、ほぼ有機合成技術のみに依存していることから、他国への資源依存度の低い先端技術の創出に大きく貢献できる。」と強調している。さらに、著者らは、すでに有機活物質に特化した最適部材の選定や、バインダーレス化およびエネルギー密度の向上を狙った具体的な手法開拓に着手しているという。詳細は本文を参照頂きたい。
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ITEM NAME | 化学装置 2014年8月号 |
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ITEM CODE | PAP201408-f~PAP201408-m |
PRICE | 1,848~22,176 円(税込) |