■今月号の見所
『最近の化学プラントの事故から学ぶ安全管理【第1回】;東京農工大学・中村昌允教授が、今月号より4回程の【短期集中連載】がスタートする。御期待下さい。
1.はじめに
「一昨年から化学プラントの大きな事故が3件起きたが、いずれも日本の化学産業を代表するトップメーカーで起きた。それらの企業は、日頃から安全管理に気を配って操業していたが、それでも事故が起きたところに、安全管理の大きな課題がある。
事故の直接原因は、緊急停止や負荷の大幅変動のような非定常事態に運転員が適切に対処できなかったことであるが、これらの事故には、三つの共通点がある。
一つ目は、事故が緊急時や非定常運転時に起きている。
二つ目は、運転員が緊急時等の非定常事態にプラントを適正に運転できなかった。
三つ目は、関係者は事故の直前まで、異常事態が起きていることに気付かなかった。
これらの事故の根本原因は、『現場の対応力が低下している』ことである。
この現実を受け止めて、安全管理をどのように行っていくかが問われている。本稿では、三つの事故から浮かび上がってくる安全管理のポイントをまとめ、第2回目以降では、個別の事故の技術的課題と問題点についてふれてゆく。」と。
【新連載】 液体清澄化技術 Q&A 第1回 -水の構造と特徴-
横浜国立大学大学院・工学研究院の中村一穂准教授により、まず第1回目を寄稿頂く。
はじめに
「『液体清澄化技術』とは、水、油、溶融ポリマーなどの各種液体から、微粒子、微生物、エマルジョンなどの懸濁物質や無機イオン、溶解性有機物、溶存ガスなどの溶質成分を分離、除去、回収する技術やこれらの物質による液体への汚染(コンタミ)を防止する技術の総称である。液体に関わる技術は、多様なニーズがあるため関連する知識に広範にわたる。本連載では、水に関わるプロセスを理解する上で必要な水の科学、工業的に応用されている液体や技術に焦点を当てて行く。主に“水”に関わる技術の周辺知識をQ&A形式で連載する。水は、他の物質の液体とは大きく異なり、その性質や構造は複雑で、特にそれらの温度依存性は特異的な挙動を示すことが知られています。今回は、そのような特異性はどうして現れるのだろうか。ここでは、水分子の構造と水の性質の関係を説明して行く。
Q.水分子はどんな形をしていますか?
A. 水分子は水素原子2個と酸素分子1個が化学結合して分子で、H2Oの分子式で示されます。水分子の構造は様々な手段を使って調べられており、その構造は…。(以下本文をご参照ください)」。
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ITEM NAME | 化学装置 2013年8月号 |
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ITEM CODE | PAP201308-f~PAP201308-m |
PRICE | 1,848~22,176 円(税込) |