化学装置 2015年10月号

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【特集】新エネルギー産業
-太陽光発電、バイオマス等で活用する化学新技術-



バイナリ―発電の適用性

環境企画 松村 眞

色素増感型太陽電池用有機色素の工業化と開発 , 課題

綜研化学 羽田 英樹

酵素法によるバイオディーゼル燃料の生産プラントとその成果

Bio-energy 濱  真司

バイオマスガス化駆動燃料電池用電極触媒の研究開発

中部大学 波岡 知昭

酵素法によるバイオディーゼル原料による水素創エネ技術実証事業
-水素リーダー都市プロジェクト-

三菱化工機 北田 和正

【特設記事】粉体工業展 大阪2015の見どころ


粉体工業展 大阪2015の見どころ/出展者リスト/小間割り図等を紹介

編 集 部

エネルギー分野、材料開発分野を支える粉体技術への取り組み

大学・メーカー各社 ;
①北米に見る注目の粉体機器と技術傾向(トリプルエーマシン・石戸 克典)
②医薬品(低融点化合物等)向けナノ粉砕技術(摂南大学・弓樹 佳曜、橋本 直文)
③卓上型対向気流式粉砕機(スギノマシン・青木 拓也)
④多目的水素ロータリーキルン(杉山重工業・杉山 大介)

【一本記事】


“ ACHEMA 2015 ”で日独化学工学会MOU締結後初の連携企画
“ IPNF 2015”が開催される

東京農工大学 神谷 秀博

【現地インタビュー】


〈中国・上海国際高性能フィルム製造技術展〉栗本鐵工所、中国国内(江蘇省)の生産拠点を活用し 華東エリアでのFRPコア拡販を目指す !

編 集 部

【巻頭言】


資源・環境問題の真実を まやかす言葉

京都工芸繊維大学名誉教授 奥 彬

【連 載】


品質革新・革新モノづくり、イノベーション再構築への提言

露木生産技術研究所  露木 崇夫

SCE・Net 安全談話室

化学工学会 安全研究会

化学分析 ・測定の基礎知識

名古屋市立大学  齋藤  勝裕

知っておきたい微粒子をめぐる世界

種谷技術士事務所 種谷 真一

プラントエンジニアリング・メモ

エプシロン 南  一郎

図解 化学装置

東洋大学  川瀬  義矩

技術者のための創造力開発講座

飯田教育総合研究所  飯田 清人

地球環境とバイオリアクター

近畿大学  鈴木 高広


P&PInfo.,情報ファイル,コラム,次号予告など。


【見どころ①】
今月号の特集の一つ『酵素法によるバイオディーゼル燃料生産システムの活用事例と展望』(濵 真司氏・吉田 あゆみ氏・野田 秀夫氏)では、新エネルギーへのひとつの取り組みR&Dが紹介されている。その概要として、“はじめに”のところをピックアップしてみる。
「1.はじめに  油脂とメタノールとをエステル交換反応させて得られる脂肪酸エステルは,ディーゼルエンジンに使用可能なバイオディーゼル燃料(BDF)として世界中で利用されている。BDFは世界で約2,700万トン(2013年)が生産され,大豆・菜種・パームより得られる油脂や食用油脂の廃棄物である廃食用油を主な原料としている。欧州では菜種油の年間消費量の半分を上回る564万トンもの菜種油がBDF生産に仕向けられており,BDFが菜種油の消費を主導しているといっても過言ではない。さらに,これまでBDF生産をリードしてきた欧州に加えて,南米・アジア諸国でのBDF導入も着実に進められている。 BDFを使用するための品質規格として,主に菜種油を原料とする欧州の統一規格EN14214をはじめ,各国事情を考慮した規格化がなされている。我が国でも,廃食用油が原料として使用されることを考慮し,低濃度(脂肪酸メチルエステル濃度:5 wt%以下)のBDFを混合した軽油の強制規格が定められ,混合用のBDF品質を示すJIS規格が制定された。 BDFの生産には,高い生産効率,簡易で安定な生産方法,そして廃棄物処理問題の解決など,BDF製造現場のさまざまなニーズに答えられるシステムが必要であるため,現在も積極的にBDF生産方法の研究開発が進められている。特に,アルカリ触媒を用いる従来のBDF生産方法では,生産物の洗浄工程で発生するアルカリ性の排水や汚染された副生グリセリンの処理などに課題を抱える事業者が多く,このような課題を解決し得る環境調和型BDF生産技術に対する期待が大きい。 BDFを生産する方法のひとつとして,リパーゼを用いる酵素法に関する研究が種々行われている。この生産方法は,従来法で問題となるアルカリ性の排水が生じないこと,副生するグリセリンの後処理が容易であること,反応条件が温和であること,原料中の遊離脂肪酸のエステル化が可能であることなど,多くの利点を有する。特に前者2つは生産物の精製工程の短縮や副産物のリセールの観点から大きな優位性がある。酵素法のブレークスルーとなる研究成果として,島田ら)はCandida antarctica由来リパーゼを固定化した酵素による植物油脂とメタノールとのエステル交換反応(メタノリシス)を行い,メタノールを油脂に対して1モル当量以下になるように逐次添加することで酵素の失活を抑制し96%以上の高い反応率を得られ,バッチ式反応で50サイクル以上の酵素の繰り返し利用が可能であることを報告している。 これまで筆者らは,酵素法によるBDF生産技術の応用により従来のBDF生産の課題を克服するため,当該技術をプラントへ実装し,生産物の分離操作やスケールアップを含めた酵素反応システムを研究開発してきた。本稿では,その開発事例やシステムの活用事例,そして海外の取り組み事例の一端を紹介した後,今後の展望についても触れる。



【見どころ②】
10月号・特設記事:“最近の粉体機器・装置業界の動向”として、
『北米に見る注目の粉体機器と技術傾向』(石戸 克典氏)の解説の一部を紹介する。
「100年に一度の未曾有の世界経済危機とまでいわれた『リーマンショック』で2009年3月には、アメリカのダウ平均株価が12年ぶりに7,000ドルを一時下回ったが、その後順調に回復し、今年5月には18,000ドルに達した。2009年当時、自動車とエレクトロニクス産業の世界的な消費の落ち込みからアメリカの多くの産業で負の影響が出たが、その後は、シェールオイルを含む原油の増産が原油価格の低下に寄与し、アメリカの製造業が着実に回復している。一時は、10%近くまで上昇した失業率も、リーマンショック前の4.62%(20007年)レベルまで戻りつつあり、今年は6%を下回る見込みである。北米の粉体機器も、多くの製造業に粉体が関連している今、非常に底堅く販売されている印象を持っている。弊社は日米に拠点を持ち粉体機器の販売・マーケティングを行っており、その観点から主にアメリカの粉体機器について今回報告する。」と。
以下項目と概要を紹介する。
「 “1.リーマンショック以降の米国粉体機器・装置業界の現状” 2009年以降、金融危機で大きく影響を受けた日本と異なり、アメリカの製造業はあまり損害を受けなかったといえるが、トリプルエー社と取引がある米国の粉体機器メーカーやユーザーも、他業界と同様順調に回復している企業が多い。アメリカでものを作らなくなったと言われて久しいが、重要な工業原料を米国内で製造している会社は多く、粉体機器の市場は大きい。まずは、アメリカ市場について少し触れたい。
(1)アメリカ開拓者精神・購買マインド
アメリカの多くの企業は、米国内製造の機械にそれほどこだわらず、世界でよい機械・技術があれば、導入したいと考えている。価格はいつもベストプライス、イコールチャンス、フェアビジネスと、海外の企業が進出しやすい素地がある。この意味で、アメリカ企業は、世界でも特異な購買をしてきたし、今後も継続すると考える。
(2)アメリカ合理主義
アメリカの機械メーカーは、機能に影響しないような外観を気にしないため、一見できが悪いが、アイデアに満ちた機械があり、少し見直せば、日本で通用する機械がある。しかし、アメリカの企業は、一般にアメリカが市場の全部と考えている会社が多く、アメリカ以外に市場を広げる必要性を感じていない。しかし、アメリカ内だけの市場ではいずれ飽和し、景気の安定とともに売上は頭打ちとなるのは必至。そんなアメリカ企業に対し、アジアやヨーロッパ向けに機械を販売する手助けをするというビジネスも成り立つと考えられる。“2.日米の粉体機器の違い” 北米ではバルクハンドリングの大型システムが多く、日本では小型の特徴ある粉体機器が得意であるとされているが、実際、展示会に参加してみるとそれがよくわかる。北米の展示会では、粉体というより粒体に関連する機器の展示が多い。日本では、媒体撹拌ミルやプランジャーポンプを利用したナノ分散・微粒化装置も多数紹介されているが、北米の展示会ではナノテクの展示は粉体を中心とした展示会ではまだまだ少ないと感じる。最近の北米の粉体機器の傾向としては、3Dプリンターに向けての原料市場が増えつつある。IDCジャパンの発表によると、2014年日本で1万台弱、世界で約10万台販売され、今後順調に伸びていくと予想されている。プリントする材料として樹脂や金属の粉末が利用され、流動性が重要な因子となるため、粒径制御や球形度の向上が重要な技術となっているので、日本の粉体技術力を発揮する非常に良いチャンスが到来したと言えよう。日本の製造業に高度成長期のような勢いがなくなった今でも、粉体機器・粉体技術は、未だ日本優位の技術の一つである。特に最近、粉体がナノレベルにまで議論されるに及び、日本の粉体技術は世界から注目されており、北米や欧州からの引き合いも非常に活発となっている。粉体はあらゆる産業の基本であり、鉱物、化成品、セラミックス、金属粉など粉体をハンドリングする技術は世界中の産業で広く使われている。粉を細かくする粉砕、粒の大きさによってそろえる分級、スラリーから一気に乾燥して球形粒子を製造するスプレー乾燥技術、異なる種類の粉体を混ぜ合わせる混合、粉体を丸めたり、コーティングしたり、大きくする造粒など粉粒体のハンドリングは広範囲で奥深い。それだけに、多くの機械・技術が紹介され、上市されているものの、各社の事業は国内に限られ、国外へ拡販するための人もコストも多くかけられないのが現状である。
“3.日本の粉体機器が北米市場に” アメリカは一般に他者の後追いをしないといわれているが、そこに大きな市場があると分かれば、話は別である。アメリカにない製品コンセプトで、その市場があると気づけば、手段を問わず、きわめて合理的にアメリカ企業は手を打ってくる。」(以下略)。




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